株を買うときに一番大切なのは「感情ではなく根拠を持って入ること」だと思っています。
私自身、投資を始めたころはニュースやSNSの盛り上がりに飛びついて高値掴みをしたり、なんとなく「割安そう」と思って買った結果、大きな含み損を抱えたことが何度もありました。そうした失敗を経て、いまは自分なりのルールを設けてからでないとエントリーしないようにしています。
そのルールは大きく6つ。今日は、私が実際に使っている「買うときの基準」をご紹介します。
ルール① 月足・週足の価格帯別出来高を確認する
最初に必ず確認するのは価格帯別出来高です。私は楽天証券のアプリでチェックしています。
株価が過去にどの水準で多く取引されたかを示すこの指標は、上値抵抗や下値支持を見極めるための重要な手がかりになります。
特に私が重視するのは「層の厚さ」です。
バリュー投資を意識するときは、過去に多くの投資家が売買した水準に近ければ近いほど安心感がありますし、逆にそこを下抜けると「自分だけでなく多くの投資家が含み損を抱える」ことになります。そういう状況では騙し上げや投げ売りも出やすいので、自分の握力を試される場面です。
つまり価格帯別出来高は、チャート上の節目を探すためだけでなく、投資家心理と需給を読むためのツールとして活用しています。
ルール② PERが高すぎないかをチェックする
私は「好業績であること」を前提に投資しています。
理由はシンプルで、見えない将来の成長に賭けるよりも、実際に出ている利益に乗るほうがEPSの伸びにつながると考えているからです。
そのため営業利益以下が赤字の銘柄には基本的に手を出しません。またPSR(売上倍率)よりもPER(利益倍率)を重視しています。PSRは将来の売上成長を織り込みすぎる危険がありますが、PERは「利益」という裏付けがあるぶん信頼できる指標だからです。
PERは一律に「15倍が基準」と言われることも多いですが、私は銘柄ごとに適正PERは違うと考えています。成長株なら30倍や50倍でも許容できる場合がありますし、逆に成熟株なら10倍前後で十分割安です。目安として「50倍を超えるとリスクが高い」と判断しています。
ルール③ 売上・営業利益・EPSが確実に伸びているか
株を買うときにもっとも大事にしているのは業績の継続的な成長です。私は株探を使ってEPSや売上の推移をチェックしています。
特に意識しているのは「売上とEPSが二桁の増収増益を続けているかどうか」。ここに加えてROEが高ければさらに安心してエントリーできます。
一時的な好決算ではなく、しっかりした成長トレンドを描いている企業かどうか。これを確認することで「持ち続けても大丈夫」という自信が持てるようになります。
ルール④ 出来高の増え方を確認する
出来高は「平均」と比べるのではなく、自分が買いたいタイミングで増えているかを見ます。
ざっくり「欲しいときにしっかり出来高があるか、それとも薄いか」だけを確認するイメージです。
例えば、新高値をブレイクしたのに出来高が少なければ、上昇に勢いがなく騙しの可能性もあります。逆にその場面で出来高がしっかり伴っていれば「多くの投資家が参加している」と安心できます。
私は数字そのものよりも、場面ごとの出来高の強弱を重視しているのです。
ルール⑤ 業績や株価が上がりそうな情報があるか
材料やニュースも一応はチェックします。増配、上方修正、新製品など株価のプラス要因があるかどうかです。
しかし私は「ニュースを鵜呑みにしない」ルールを持っています。
経験上、こちらが良いと思ったニュースでも株価が反応しなかったり、逆に下がったりすることがあります。反対に、大したことのないニュースで株価が大きく上がることもありました。
そこで私は「ニュースの内容」ではなく「市場がどう反応したか」を見るようにしました。
つまりニュースは翌日の値動きで評価するものであって、その内容そのものは二の次。大事なのは「材料に対して市場がどう動いたか」なのです。
ルール⑥ 強いテーマ性やセクターに属しているか
最後の基準はテーマ性です。
AI、半導体、建設、防衛、不動産など、いま市場で強く意識されているテーマに属しているかを確認します。
私は特に52週高値更新銘柄をチェックして共通テーマを探すようにしています。株価が上昇を続けている銘柄には必ずと言っていいほどテーマ性がありますし、需給の支えとしても大きな要素になるからです。
テーマが弱い銘柄は良い決算を出しても株価が反応しにくいことがありますが、強いテーマに乗っている銘柄は少しの材料でも大きく動く。だからこそテーマ性は最後のフィルターとして重視しています。
まとめ
以上が、私が株を買うときに守っている6つのルールです。
- 価格帯別出来高を楽天証券アプリで確認
- PERは利益ベースで判断(上限目安は50倍)
- 売上・EPSは二桁成長+ROEもチェック
- 出来高は「場面ごとに多いか少ないか」で判断
- ニュースは内容ではなく翌日の市場反応を見る
- 52週高値更新銘柄からテーマ性を把握する
このルールをすべて満たす銘柄ばかりではありませんが、複数を満たしていない限りはエントリーしないようにしています。
ルールを持つことで感情的な売買を避け、勝率を安定させることができる。これが私の実感です。
あなたは株を買うとき、どんなルールを持っていますか?
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