今週の相場分析:日経平均は堅調だが天井圏の兆し、プライム・スタンダード市場の注目銘柄

地合いについて

日経平均の動向と全体感

今週の日経平均株価は引き続き堅調に推移しました。米国市場が落ち着きを見せ、為替も円安傾向が一服している中で、大型株を中心に資金が流入しています。特に輸出関連株や金融株が買われ、日経平均を押し上げる形となりました。

しかし、ここにきて日経平均株価の PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)は高値圏に突入 しています。直近の決算発表を振り返ると、EPS(1株当たり利益)の伸びは限定的であり、業績の裏付けが十分とは言い切れません。この点を考えると、日経平均の上昇幅はそろそろ一服し、天井圏を意識する局面に入ってきた可能性があります。

とはいえ、すぐに大幅下落というシナリオではなく、強気相場の中で一度立ち止まるタイミングという見方です。そのため、今週の投資判断としては「強い銘柄を絞り込みつつも慎重姿勢」が重要になると感じています。


プライム市場の注目セクターと銘柄

まずはプライム市場から。今週特に注目したいのは 半導体関連、銀行、IP関連 の3セクターです。

半導体関連

生成AI需要を背景に半導体需要は引き続き強く、日本企業にも恩恵が波及しています。材料株や製造装置メーカーは短期的な値動きが大きいものの、押し目を狙う投資家も多く、引き続き注目セクターです。

銀行株

金利動向を背景に、銀行株は安定的に資金が流れています。日銀の政策修正や長期金利上昇の思惑が引き続き買い材料となり、出遅れ感のある地方銀行にも物色の余地があります。

  • 栃木銀行(8550)
    YonYでの売上成長はやや物足りない部分もありますが、直近3カ月の成長率は良好で、チャート形状もきれいに整っています。テクニカル的にも上昇トレンドを維持しており、短中期的に妙味がありそうです。
  • おきなわフィナンシャルグループ(7350)
    YonY、QonQともに良好な数字を示しており、業績面での安定感があります。地方創生や観光需要回復の恩恵を受ける可能性もあり、中長期の成長期待が持てる銘柄として注目に値します。

一方で、それ以外の銀行株については目立った材料や独自の強みが少なく、今週は「推奨できる銘柄は限定的」といった印象です。

IP関連

IP関連は引き続きテーマ性が強く、イベントやメディア展開次第で株価が大きく動きます。ただし、足元では短期的な値動きが主体で、長期投資よりはトレンドをうまく捉える短期型の戦略に向いています。


スタンダード市場の注目銘柄

続いてスタンダード市場に目を向けると、注目したいのは エスケイジャパン(7608) です。

  • エスケイジャパン はキャラクターライセンス商品を中心としたIP関連企業で、直近の決算では QonQが良好な数字 を示しました。特にクレーンゲーム向け景品やキャラクターグッズが堅調で、今後の業績改善に期待が持てます。

ただし、スタンダード市場全体としてみると「おすすめできる銘柄は少ない」というのが率直な印象です。短期的に資金が入る場面はあるものの、地合い全体としては一時的な天井圏が近づいているように感じられます。


今後の展望と投資スタンス

ここまで見てきたように、日経平均は堅調ながらも PER・PBRの水準やEPS成長率の鈍化を考えると、そろそろ上昇の勢いが一服する可能性 が高まっています。プライム市場では半導体や銀行株に強さが残るものの、銘柄選別の難易度は上がってきました。スタンダード市場でもエスケイジャパンのように注目できる企業はありますが、数は限られています。

そのため、今週は積極的に買い増す局面ではなく、保有株の動向を見守りつつ慎重に立ち回る週 になると判断しています。新規エントリーについては、セクターごとの強弱を見極めたうえで、限定的なタイミングに絞るべきでしょう。


まとめ

  • 日経平均は堅調に推移する一方で、高値圏に差し掛かり天井を意識する局面。
  • プライム市場では半導体、銀行、IP関連に注目。特に栃木銀行とおきなわFGは業績とチャートが好感できる。
  • スタンダード市場ではエスケイジャパンのQonQ成長に注目。ただし全体としては一時的な天井圏の可能性。
  • 今週の戦略は「買い増しを控え、保有株を見守るスタンス」。

堅調相場のなかであえて無理に追いかけず、慎重に状況を見極めることが、今後のチャンスを広げる一歩になると考えています。

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